お家に帰ろう
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【登場人物】
※高校生ぐらいの年齢設定ですが無理に幼い声にしないでも大学生とかぐらいのイメージでもお好きに楽しんでいただけたら大丈夫です
ルイ·····賢い男の子。いつも冷静沈着
ナオ·····元気な男の子。ルイとは仲が良いがよくケンカもする。暴走気味のヒカリを心配している
ヒカリ·····元気過ぎる女の子。よくルイとナオと一緒にいる
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【本篇】
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ここから台本です
■学校の帰り道、寄り道をする二人の男子高校生
下駄箱で靴を履いているナオに、ルイが話しかける
ルイ
「ナオ。今日もあそこ行くだろ?」
ナオ
「おールイ。ああ。もちろん。本当に良いとこ見つけたよなー」
■しばらく歩いている二人
ヒカリ
「ねー、どこ行くの?」
■同時に驚くルイとナオ
ナオ
「お前、心臓止まるかと思っただろ!いつからいたんだよ?」
ヒカリ
「えっ?学校出たとこからずーっと」
ルイ
「つまり、俺たちの事を学校からここまでずっと尾行してたって事か·····
お前凄いな!全然気づかなかった」
ヒカリ
「ふふーん。良く言われる。手も冷たいしー。たまに浮いてるしー、気配感じない時あって、声かけたらめっちゃ驚かれる事もよくあるー」
ルイ
「いや、それそんなに楽しそうに言う事じゃない気が·····」
ナオ
「えっ?お前ちゃんと生きてるよな?」
ヒカリ
「うーんと·····たぶん?」
ナオ
「待て!なんだよその間(ま)。そこ考えるとこじゃないだろ?やめてくれよ!俺そういうオバケとか本当にダメなんだよ·····」
ヒカリ
「ひどい!人をオバケ呼ばわりして!!そういうデリカシー無いとこ、ほんと変わんない!!」
ルイ
「まあまあ。バレちゃったなら、仕方ないんじゃないか?」
ナオ
「ふー。しょうがない。連れてってやるか、俺たちの秘密基地」
ヒカリ
「秘密基地?うわー。めちゃめちゃ楽しみ🎶早く行こう!!」
■しばらく歩いて
ナオ
「さあ着いた!あれ?」
ルイ
「ん?どうしたんだよ?え?」
ナオ
「なく、なってる·····どうして·····」
ヒカリ
「えー?無くなっちゃったのー?めちゃめちゃ楽しみにしてたのにー」
■ヒカリ、別の方向を見つめ、ある物をみつけて
ヒカリ
「ねぇ、あの建物なんだろう?見たことある?」
ナオ
「いや、俺知らない。お前は?」
ルイ
「俺も見たことないなー」
ヒカリ
「ねえ。入ってみようよー」
ナオ
「やめとこう。なんか、入っちゃいけない気がする·····」
ヒカリ
「オバケが出そうで怖いんでしょー??」
ナオ
「違ぇから!ビビってねぇから!!」
ルイ
「なあナオ」
ナオ
「俺ほんとビビってねぇから!」
ルイ
「あいつ、もう門開けてる」
ナオ
「は?こっから距離結構あるよな?まさか瞬間移動?なあ、ほんとにやめようぜー?」
ルイ
「正直俺もあんまり気乗りしないな·····」
ナオ
「おっ、お前も実は·····」
ルイ
「俺は幽霊なんて非科学的なものは信じてない」
ナオ
「そうだった。お前はそういう奴だった」
ルイ
「でも、嫌な予感がする」
ナオ
「あれ?幽霊は非科学的だから信じないのに、自分の勘は信じるのか?」
ルイ
「ナオ、第六感というのは脳科学の研究で、今少しずつ科学的に解明されつつある、立派な能力の一つだ。何の根拠も証明も無い幽霊なんかと、一緒にしないでもらいたいね」
ナオ
「はいはい。やっべ。そんな事言ってる間にあいつ見失った」
ルイ
「まあ、間違いなく建物の中だろうな?」
ナオ
「あーもう。結局入るのかよ」
ルイ
「あいつが入った以上、もう入らないという選択肢は俺たちには残されていないな」
ナオ
「だよな。一人にしたら、マジで何し出すかわかんないからなあいつ」
ルイ
「覚悟を決めろ。入るぞ?」
ナオ
「おー」
■扉の開く音
■先に建物内を散策しているヒカリ
ヒカリ
「もしもーしあのー。勝手に入ってごめんなさい。どなたかいませんかー?
うーん。誰もいないなー」
■後ろを振り返り
ヒカリ
「えっ?二人ともいないし。まさかビビって着いてこなかったの?女の子一人にするとかありえない!!幽霊と遭遇しちゃったらどうしてくれんのよー!
ん?あれ?私が幽霊なんだっけ?あっ、よく見たらあたし宙に浮いてる~。
よーし、あいつら驚かしてやろう」
■ナオとルイが来る。ヒカリ、その様子を見ている
ナオ
「あいつほんとどこ行ったんだ?怖いもの知らずっていうか、無鉄砲っていうか、マジ女の要素の欠片も無いな」
ルイ
「ほんとお前、あいつにだけは異様に口悪くなるよな?」
ナオ
「そうか?」
ルイ
「自覚ないのか?」
ヒカリ
「よーし来たきた。驚かしてやろう。
ふふふふ。わー!!!!!!」
■二人には全く彼女の姿が見えていない。声も聞こえていない様子で二人は一切反応しない
ナオ
「俺、いつもこんなもんだと思うけど?」
ヒカリ
「わー!!!!!こらー!なんで無視すんの二人とも!!」
ルイ
「俺に遠慮してるならはっきり言って迷惑だ。ビビるのは幽霊だけにしろよ。お前好きなんだろ?ヒカリの事」
ヒカリ
「えっ?」
ナオ
「ほんとお前って、ムカつくぐらいいつでも冷静だよな?お前だってあいつの事好きだろ?」
ルイ
「それを知って何になるんだ?」
ナオ
「ほんとお前って人の心にはズカズカ土足で入ってくるクセに、自分の心は全く見せねえよな?そういうスカした所、時々イラッとする。もうほんとの事言えよ」
ルイ
「俺はヒカリが好きだ。これで満足か?」
ヒカリ
「えっ?」
ナオ
「その言い方はなんかムカつくけど、やっと言ったな」
ルイ
「バカな話してる場合じゃない。俺たちはあいつの為にここに来たんだろ?」
ナオ
「バカな話って····。まあそうだな死んでまでいがみあってる場合じゃなかったな。今は協力しないと」
ヒカリ
「えっ?どういう事?二人が私を好き?
二人が死んでる?え?もうわかんない。私の声さっきから届いてないみたいだし、姿も見えてないみたいだし、なんで?私が幽霊なんじゃないの?」
ナオ
「どうする?あいつの夢に二人で入り込めたのは良いけど、あいつの声も姿も見えなくなっちまった·····」
ルイ
「俺たちの時間があとわずかなのか。それともあいつの命がヤバいのか。どっちにしろ、時間が無いのは確かだな·····
急ごう!きっとあいつは今頃混乱しながら、俺たちの事探して泣き叫んでるはずだ」
ナオ
「だな。強がりばっか言うけど、本当は誰より繊細で自分の事より人の事が大事で優しい·····」
ルイ
「あー。早くみつけよう!」
ナオ
「おう!」
ヒカリ
「ねぇ、二人ともどこにいるの?お願いだから返事して·····
頭、痛い·····
何…これ?
!?
そうだ…あたしは二人と行くはずの旅行の前日にケンカして、あたしだけ乗らなかったバスが横転して、二人は事故で·····」
ナオ
「ヒカリ!ここにいたのか。探したぞ?
あのバスにお前が乗ってなくて良かったよ」
ヒカリ
「ナオ!」
ルイ
「珍しく気が合ったな。俺も同感だ」
ヒカリ
「ルイ!二人とも、私の声が聞こえるの?私が見えるの?良かった·····
私だけ、あのバスに乗らなかった。あの旅行、三人で行こうって、約束したのに·····
バスに乗った二人が事故にあったって聞いて·····
なんで私だけ生きてるんだろうって。
私も、二人のところに行きたい!このまま眠り続けたら、二人のところに行けるでしょ?一緒に連れてって·····」
ナオ
「それは出来ない」
ヒカリ
「どうして?」
ルイ
「お前は俺たちとは違う。眠ってるだけで、まだ生きてるからだ」
ナオ
「なあ。俺たちの事を思って悲しんでくれるのは嬉しいよ。ありがとな。
でも。もう自分を責めないでくれ。それを言いたくて、ここに来た」
ヒカリ
「でも、でも·····」
ルイ
「ケンカしたままこんな事になっちまって本当にごめんな?
もう聞こえちまっただろうから言うけど、俺もこいつもお前が好きだ。だからあの事故にあった時さ、本当にここにお前がいなくて良かったって。心からそう思ったんだ。なのに·····お前自分の事責めてこんな森の中まで来て、ずっと眠ったまま生死の境さ迷ってるし·····」
ヒカリ
「だって、だって·····」
ナオ
「優しいお前の事だから、どうせ自分だけ助かってごめんとか思ってんだろ?前の日に俺らとケンカして、自分だけあのバスに乗らなかったこと、後悔してんだろ?
でもさ、これで良かったんだよ。
誰にも防げない。あれは、ただの事故だった。お前は、何も悪くない」
ヒカリ
「だって、仲直りできないまま、二人ともいなくなっちゃって·····
ごめんねもありがとうも言えないまま·····
昨日当たり前に二人とも側にいたのに·····
こんな事になるなら、ケンカなんてしなきゃ良かった·····
私も、そっちに行く」
ナオ
「だから俺ら、仲直りしに来たんだよ」
ルイ
「なあ。俺らさ、お前の事が心配過ぎて、いわゆる幽霊って奴になったみたいなんだ。まさかこの俺が、幽霊になる日が来るなんてな·····」
ヒカリ
「そんな·····」
ナオ
「ヒカリ、聞いて?心残りを期限内に叶えないとさ?俺ら悪霊になっちまうんだって。
もし悪霊になったら、俺、きっとお前の事、無理やりさらっていっちまう。そんな事、したくないんだ·····頼む」
ヒカリ
「ナオ·····」
ルイ
「ヒカリ。もう時間が無いんだ。俺たちが悪霊になる前に、仲直りしてくれないか?」
ヒカリ
「そんな言い方ずるい·····」
ルイ
「ごめんな·····ほんとにごめん·····」
(泣きながら)
ヒカリ
「わかった。してあげる!仲直り。だから、一つだけ私のお願いも聞いて!
私は頑張って生きるから、ちゃんと生まれ変わって!で、生まれ変わったら、絶対二人で会いに来て!
その時は、ちゃんと仲良しで来ること。わかった?」
ナオ
「それ一つじゃなくて二つじゃないか?」
ヒカリ
「返事は?」
ルイ
「ああ。わかったよ。それをお前が望むなら」
ナオ
「わかった!絶対会いに行く!!」
ヒカリ
「んー?」
ナオ
「二人で仲良く。な?」
ナオ
「ヒカリ?ずっと側にいられなくてごめん。ありがとう」
ルイ
「ヒカリ。ずっと守ってあげられなくてごめん。ありがとな」
ヒカリ
「もうごめんは無し!
私、二人と出逢えて良かった!私の事、好きになってくれて本当にありがとう!さようなら!またね。またね!」
ナオ
「俺たち、お前の笑顔が大好きなんだ」
ルイ
「だからいつかまた会えたらさ、とびきりの笑顔、見せてくれよ。じゃあな」
ナオ
「またな」
■森の中に横たわるヒカリ。二匹の子猫が彼女を起こそうと頑張っている
■ヒカリ、横たわったまま目を覚ます
ヒカリ
「んー。あれ?私起きた?ん?ねこ?くすぐったいって。そんなに顔なめないで?痛ったい!ちょっと、今ひっかいたのは君?痛い痛い。わかった!ちゃんと起きるから!
もー、こんな死の森に、一体君たちどこから来たの?」
■ヒカリ、起き上がり座ったまま子猫を見つめる
■片方を抱き上げて
ヒカリ
「ふふ。誰かさんみたいに賢そうで優しい顔した黒猫ちゃん」
■もう一方の猫を抱き上げて
ヒカリ
「さっきひっかいたのは君ね?そのイタズラ好きで勝気な目、あいつにそっくり·····
人の心配して幽霊になるし、夢の中まで入ってくるし、あんなに優しくてかっこいい男の人達、もう出逢わないだろうなー」
■猫、二匹とも心配そうに鳴く
■ヒカリ、二人を思い出して泣く
ヒカリ
「泣いてない!泣いてないから·····
大丈夫!ちゃんと生きてくって頑張って生きるって約束したんだもん!ちゃんと二人の好きな笑顔になるからさ·····」
■ヒカリ、泣きやみ、子猫二人を抱きしめる
ヒカリ
「ふふ。ほんとそっくり。
二人とも生まれ変わるの早すぎない?
ねえ、うちに、来る?」
■子猫、嬉しそうに鳴く
ヒカリ
「ありがとう。
じゃあ、三人で、おうちに帰ろう。
ありがとう。大好きだよ。」
終わり
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