虹の作り方



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※もし性別を変換して演じたい場合は1度ご相談ください

【登場人物⠀】
全員雨の妖精です
妖精なので年齢設定はご自由にどうぞ🌈

サク(男)·····いつも一番になりたいとネネをライバル視して張り合っている。早く一人前になりたい

ポポ(男)·····自分に自信が無く、自分を出来損ないだと思っている。直ぐに人と比べて落ち込んでしまう

ネネ(女)·····負けず嫌いでサクとよくケンカをする。師匠の事をとても尊敬している

ルル(女)·····天然。おっとり。喋り方も基本はゆっくり。本人はあまり自覚が無いが実は賢い


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【本篇】
ここから台本です

サク
「おーい!はぁはあ。なんだ、みんなここにいたのか·····」

ネネ
「どうしたの?そんな必死に走ってきて」

サク
「いや、まー、ちょっとさ?
お前らが、何やってんのかなーって思って」

ルル
「いま~、私たちは~、虹をつくる練習してたよ~」

ポポ
「そう。でも、すごーく難しくて·····
こんなの僕なんかに出来るのかな?全然出来る気がしないんだけど·····」

ネネ
「まっ、頑張れば何とかなるって!努力は裏切らない!ほら、ローマの道も一歩からって言うじゃん?」

サク
「それ、もしかして、千里の道も一歩からって言いたい?」

ネネ
「あー、もう!ちょっと言い間違えただけじゃん!
ねえ、邪魔するなら帰ってくれる?」

ルル
「ま~ま~。ネネ落ち着いて?
ねえ、そんなに必死に走ってきたってことは、何か用事があったんじゃない?」

サク
「うん。あのさ、俺、虹を作りたいんだ!今すぐ!今日中に!ずっと一人でやってたんだけど、あと少し、何かが足りなくて·····」

ポポ 
「虹って、あの七色(なないろ)の?お師匠さん達だってめちゃめちゃ作るの難しいっていう、あの、虹?」
 
サク
「そう!その虹!俺、どうしても作りたいんだ!どうしても今日じゃなきゃダメなんだ!」

ネネ
「無理無理!あんたのレベルじゃ、絶対無理!!」 

サク
「なんだよ!やってみなきゃわかんないだろ?」

ネネ
「だって、私のお師匠さんだってマスターするのにめちゃめちゃ時間かかったんだよ?あんたじゃ絶対に無理!
まー私は、もうすぐマスターしちゃうけどねー」

サク
「は?お前俺より成績悪いじゃねぇか!
今どこまで出来てんだよ?俺は、正反対の性質を持った色は作れるぞ!」

ネネ
「えっ?あんたまだそのレベル?
私は、みんなが好きな色は、もうぜーんぶ作れるわよ?」

ルル
「ちょっと二人ともストップ~。
(ため息)
なんでいつもケンカしちゃうの~?
どんな色だって、私はステキだと思うよ?
ちなみに私は~·····
あれ?私どこまで作れるようになったんだっけ?」

ポポ
「みんなすごいなー。僕はまだ一色しか作れないや。もうきっとみんながとっくに作れる色だよなー。何色(なにいろ)を作ろうと思ってもさ、なんでかみんなその色になっちゃう·····僕にはもしかしたら一生、その色しか作れないんだきっと。だから僕には虹を作ることなんて、絶対出来ないんだ·····」

ルル
「あー、二人がケンカするから、ポポ落ち込んじゃった~」

サク
「ごめん」

ネネ
「ごめんね、ポポ」

■みんな一瞬の沈黙·····

ネネ
「そうだ。どうして今日なの?どうして今日じゃなきゃいけないの?」

サク
「ああ。ある女の子のお母さんの願いが最近ずーっと聞こえるんだ」

ルル
「願い?」

サク
「ああ。そのお母さんの子供は病気で入院してて、手術。ってものが必要らしい。それをしないと大変な事になるんだけど、その女の子はしたくないと言って、お母さんは困ってた。
その時に、たまたま虹が出てくる物語を読んだらしくて。もし手術をする前の日に虹が見れたら手術するって、その女の子が言い出したらしくてね。お母さんはその日からずっと、虹が出る様にって願ってる。自分が好きな物も我慢してずっと·····」

ネネ
「そう、だったんだ·····」

サク
「ああ。
だから、俺どうしても今日、虹を作りたいんだ!そのお母さんの願いを叶えたい!それに、その女の子、全く笑わないんだ。本物の虹を見て、笑顔を見せて欲しい!」

ネネ
「ふーん」

サク
「なんだよ?」
ネネ
「その子に惚れたの?笑」

サク
「ち、違うよ!」

ネネ
「照れない照れない笑」

サク
「照れてない!」

ルル
「虹って、本当にキレイだもんね~。見た人が~。みーんな笑顔になっちゃうすごいパワーを持ってるって·····
私も一度だけ、虹を作るのを見た事があってとーっても感動したな~。あれ?私なんかとっても大事な事知ってる気がするんだけど·····
なんだろう?」

ポポ
「サク、お師匠さんにはもう頼んだの?」

サク
「ああ。頼んで、断られた。自分でやってみろって」

ネネ
「冷たい師匠ね」

サク
「違う!きっと俺が成長出来るチャンスをくれたんだ!」

ネネ
「ただ教えるのが面倒なだけなんじゃないの?」

サク
「師匠の悪口言うなよ!俺の事は何言っても良いけど、師匠の悪口だけは絶対に許さない!!
本当に心から尊敬する人なんだ。質問してもまずは自分で考えろ。失敗しても良いから、まずは自分でやってみろって。俺を信じて挑戦させてくれるんだ。偉大で、賢くて、誰よりも優しい人なんだ!面倒臭がりなお前の師匠なんかと一緒にするなよ」

ネネ
「は?師匠をなんか呼ばわりするなんて許せない!あたしの師匠の凄さ、あんたにはどうせわかんないでしょうね?」

ポポ
「やめてよ!ケンカなんかしないでよ!誰が凄いとか、誰より凄いとか、僕そういうの違うと思う!!どうせ僕なんかに比べたら、この世に生きてる命全てがみんなすごいんだよ·····」

ルル
「あーポポがまた·····
もう!本当に二人ともケンカはやめて!
·····
あっ、思い出した!!!!」

サク
「!?
びっくりしたぁ
で、何を?」

ルル
「今のポポの言葉で思い出したの。
誰が凄いとか、誰より凄いとかそんな事無い!同じ様に、どの色が優れてるとか劣ってるとかそんな事ない!どの色だってそれぞれに魅力的で、それぞれにステキでしょ?でもね、一人で全部の色を混ぜたら真っ黒になって、雷雲(かみなりぐも)になっちゃうの」

ネネ
「私も思い出した!そうだ、私も虹を作るの見た事ある。確か、ルルと一緒に見たんだよね?」

ルル
「うん」

ネネ
「虹は、七色(なないろ)だけじゃない。
希望、夢、愛、友情、勇気、優しさ、努力の成分が無いと出来ない!」

ポポ
「僕も思い出した!たった一人じゃない!みんなで力をあわせないと、虹は出来ない!」

サク
「お互いを尊敬して、想いやって、初めて虹が出来る。
そうだよ。僕達四人で見たんだ。師匠が作ってくれた虹を·····
あの虹を見て俺ら、みんなで雨の妖精を目指したんだよな?」

ネネ
「そうだった。師匠の作り出す色がステキで、私は師匠の様になりたいって。人を感動させたいって、すぐに弟子入りしたんだった」

サク
「こんな大切な事、俺、なんで今まで忘れてたんだろう。いつの間にか自分が一番になるんだって。みんなより優れた妖精になるんだって。俺それしか考えてなかった」

ネネ
「私も。何の為に修行してるのかすっかり忘れてた」

ポポ
「あのさ。もしかしたら僕達が力を合わせたらさ、虹、作れるんじゃないかな?僕なんかが力になれるかはさ、わかんないけど·····」

サク
「ポポ。そんな悲しい事言うなよ·····
俺もさ、そんな気がしてきた!
なあ、みんな。力を貸してくれるか?」

ネネ
「当たり前でしょ!私を誰だと思ってんの?」

ルル
「もちろん。協力する」

ポポ
「僕に出来ることなら、頑張るよ·····」

サク
「みんなありがとう。
俺さ、偉そうな事言ってたけど、本当は、まだ二色しか作れないんだ。赤と青。持ってる要素は友情と夢」

ネネ
「なんだ。サクもか。私も。まだ2色しか作れないの。黄色と緑。持ってる要素は努力と優しさ」

ルル
「私は~。橙(だいだい)と藍色(あいいろ)。持ってる要素は~えっと~愛と勇気」

ポポ
「えっ?嘘?そんなことってあるの?僕、僕·····」

サク
「どうしたポポ」

ポポ
「僕ね、一つの色しか作れなくて、ずっと自分はダメな奴だって思ってた。出来損ないだって思ってた。何度やっても、何色(なにいろ)を作ろうとしても、それにしかならなくて·····
でも初めて僕、僕が僕で良かったって思った。僕が作れるのは紫。持っている要素は·····」

全員
「希望!!」

サク
「スゲェ!スゲェよポポ!お前がいなきゃ虹は作れなかった!それに紫と希望なんて、誰でも持てるものじゃない!!本当にお前は、俺たちの希望だ!ありがとうポポ!」

ネネ
「ポポは出来損ないなんかじゃないよ!」

ルル
「ポポ凄い!」

ポポ
「みんな·····ありがとう」

ルル
「みんなが違うからこそ、虹が出来る。違うから一つになるのはとっても大変だし、誰かさん達みたいに、ケンカもするけど。
みんなで力を合わせるとさ、見習いの私達でも、虹が作れるんだね~」

ネネ
「うん。全部なにもかも一人で完璧に出来ないといけないなんて。そんな事無いんだよね」

サク
「だな。違う色を作れて、違う要素を持った仲間が、お互いを想い合って、尊重して。心を一つにしないと出来ないのが虹。
みんなの想いがたくさん詰まってる。だから虹は、あんなにキレイなんだな」

ネネ
「あー。あんなとこに師匠達がみんないる。ブラボーってみんなで拍手してるし。恥ずかしいなーいつから見てたんだろ」

ルル
「ふふふ。ずっとヤキモキしながら見守ってくれてたんじゃない?」

サク
「よし!じゃあみんなで作るか!」

全員
「うん!!」

サク
「この虹を見た人が、ステキな友情を育み、叶えたくなる夢を見つけられる事を願って·····」

ネネ
「楽しみながら努力出来て、人への優しさと、自分への優しさを忘れず持てる事を願って·····」

ルル
「溢れる程の愛と勇気を持って、自分も、大切な人も守れる事を願って·····」

ポポ
「どんなに辛くても苦しくても。たとえ自分に自信が無くなって、もう立ち上がれないかもって思っても、必ず最後にはステキな希望が待っている事を願って·····」

サク
「大切な人を想い願うあなたに·····」

ポポ
「自分に自信が持てなくなったあなたに·····」

ネネ
「今生きている全ての命に·····」

ルル
「たくさんの、たくさんの願いを込めて·····」

サク
「せーの」

全員
「届けー!!!!」

終わり

『みなさんの心に虹🌈はかかりましたか?』

シナリオの海

七海あおの声劇台本のサイトです

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